2000年鳥取県西部地震の本震すべり,余震分布と3次元密度構造
2000年鳥取県西部地震の本震すべり,余震分布と3次元密度構造
強震動記録とGPSによる変位記録を用いたインバージョンにより,本震時のすべり量分布が求められています.
堀川ほか(2001)により推定されたすべり量の大きな領域は,断層沿いの密度異常の鉛直分布においては,余震列が集中する高密度異常域からはずれた低密度領域に対比されます.
Semmane et al (2005) も同様の結果を得ており,それより,本震時のすべりは南東の先負に向かって伝播し,地表近く(深度4~5kmで最大となる)で最大になった,本震時にすべりが起こらなかった北西部で応力が増大し,その部分に余震が集中した,余震は,時間経過とともに震源から離れていった,と指摘しています.
震源過程において,このような本震すべり-余震系列と密度構造がどのようにむすびつけられるか,さらに検討が必要ですが,関連するのは明らかなようです.
このような問題に関しては,rate- and state-dependent friction lawに基づいて議論されているようです.専門外なので,ここでいう”state”の意味がもう一つ理解していないのですが,密度構造と関連づけられるのか,勉強してみようと思います(もしかしたら,断層内のgaugeないしは破砕帯といった限られた領域の”state”かもしれませんが...).
また,以前紹介した,リング状の構造およびそれに沿った震源分布も同様に考えられるのか,水平的な余震分布を説明するのに使われる,例えば遠田(2002)の静的剪断応力変化の考え方と上記の断層面上でのすべり量分布は共存するのか,など素人には難しい課題ばかりです.
和歌山県西部地域の解析例では,高密度異常域を避けて,それを取り巻く低密度異常域内で地震が発生しており,鳥取県西部地震の余震分布とは一見特徴を異にしています.
和歌山県西部地域の地震は,大きな地震後の余震というものではなく,バックグラウンドの地震活動のものです.これを群発地震型と見て良いのか?ですが,余震型と群発型の相違もrate- and state-dependent friction lawに基づいて考察できるようです(ただし,この場合は流体が大きな役割を果たすようですが...).
興味深い現象はいろいろみえてきているのですが,なかなかすっきりと整理できる考えが浮かばす,悩みが深いといった状態です.整理するためには,シミュレーションまで手を出さなければならないかと考える毎日です.
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